2022年1月に日吉台至明こども園前で痛ましい死亡事故がありました。再発防止の観点から、運転者の皆さん、歩行者の皆さんへの注意事項をまとめました。
団地内に多い急勾配の坂道
日吉台小学校前の中央通り(バス道路)は小学校北東の交差点から高橋川手前の横断歩道付近まで高低差約20m、水平距離230m、傾斜角にすると約5度の急勾配となっています。またその南側、高橋川を渡る約25mは横断歩道のある平坦路になっており、事故はこの平坦路部分で発生しました。同様な急勾配路は四丁目バス停付近~日吉台診療所付近等、団地内の他所にも存在します。
急勾配路走行時の注意
急勾配を下る場合、自然に加速して走行速度が上がる危険がある他、同じ速度でも平坦路に較べて制動距離が伸びる事にも注意が必要です。
団地内の制限速度である40km/hの場合でも、雨天などで路面が濡れている場合、上図の様に傾斜角5度の下り勾配では制動距離が平坦路に較べて15%程伸びます。さらに60km/hの場合は同等の下り勾配では停止までに50m近くも走ってしまうことになります。
※ イラストはイメージです。 上記の制動距離はこちらのサイトを使用して計算していますが、実際の制動距離は運転者、車両性能、天候などの諸条件で多少異なります。
下り坂から平坦路に変わる部分は夜間の見通しがきかない
車のヘッドライトはロービームで約40m、ハイビームで約100mの範囲を照らすようになっています。
しかし、上図の様に下り坂から平坦路に移行する部分では、ヘッドライトに頼る夜間には極端に照射範囲が狭まることに注意が必要です。因みに10m程度で停止するためには時速20~25km以下である必要があります。
※ イラストはイメージです。 また10m以下という数値は、高さ1mの位置から傾斜角5度の路面に光束の上端が水平-1度になるように照射されるとして簡易的に計算したものです。 実際の照射距離は緩和勾配ほか諸条件で多少異なります。
車を運転する方にお願い
- 下り坂では制動距離が伸びる事を念頭に、10~20%スピードを落として運転してください。
- 特に下り坂から平坦路に移る付近では十分減速してください。
- 夜間は積極的にハイビームを使用して視界を確保してください。
- 薄暮時には早めにヘッドライトを点灯し、歩行者からの視認性があがるようにして下さい。
歩行者の方へのお願い
- 歩行時はなるべく目立つ色合いの服装や反射テープ(100均にもいろいろな色や種類のものがあります)を身につけて下さい。あなたが車にに気付いていても、運転者はあなたに気付いていない可能性があります。
- 歩道が設置されている場所では、必ず歩道を歩いて下さい。
- 坂道や坂道の下の平坦路を横断する場合は、運転者が気付いていない、車がなかなか止まれないことを念頭に、慎重に横断してください。