あらうんど日吉台 – 麒麟がくる ~坂本城址公園と西教寺~

日吉台はびわ湖と比叡山の景観に恵まれ、坂本や比叡山の歴史的文化遺産にも近く、少し歩けば里山の自然にも触れることのできる大津でも一番の(多分・・・)住宅地です。 「あらうんど日吉台」は日吉台周辺のスポットやお散歩コースを写真と共にご紹介するコーナーです。

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 NHKで放送されている大河ドラマ「麒麟がくる」(2020年)に因んで、今回は坂本城址公園(都市公園湖岸緑地北大津地区)と西教寺に行ってみた。

 まず坂本城址公園は、以前掲載した西近江路を歩く(前編)の山王鳥居のある場所の近くで、徒歩だと日吉台市民センターから3Km程ある。 歩くのはちょっと・・・という方には県道558号線(旧国道161号線)を走る江若バスの石川町バス停が最寄になり、車で行く場合、台数は多くないが駐車場もある。(※日吉台団地・堀場製作所経由比叡山坂本駅行きバス比叡辻下車、浜大津行バスに乗り換え、または団地循環バス比叡山坂本駅下車、比叡山坂本駅から県道経由で大津京駅行に乗り換え。 詳しくはこちら

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 この公園で一番目を引くのは平成7年に建てられた大きな明智光秀の石像だ。 教科書などで紹介されることの多い、岸和田にある本徳寺所蔵の光秀像と比べると武人としての印象が強く、「これ誰?」という感想を持たれる方も多いと思うが、台座にはっきりと明智光秀像とある。 隣には略歴と「われならで 誰かは植えむ 一つ松 心して吹け 志賀の浦風」の 歌が刻まれた石碑もたっている。

鳥羽一郎が唄う「光秀の意地」歌碑

鳥羽一郎が唄う「光秀の意地」歌碑

 さらに右手、湖側には「光秀の意地(「おとこのいじ」と読ませる)」の歌碑があり、近くのボタンを押すとこの歌がフルコーラス流れるようになっている。

大津市教育委員会による「坂本城跡の縄張り復元図」

大津市教育委員会による「坂本城跡の縄張り復元図」

 かつて琵琶湖が大渇水の時、普段は湖底に沈んでいる坂本城本丸の石垣の遺構が見られたことがあったが、案内看板の「坂本城跡の縄張り復元図(大津市教育委員会)」によると、宣教師ルイス・フロイスが豪壮華麗と称した水に浮かぶ坂本城はこの公園のもう少し北側にあったようだ。

 浜大津から北側では琵琶湖岸に出られる場所があまり多くないが、この公園からはその美しい景観を楽しむことができる。 前述の様に城址公園といっても城の遺構がある訳ではないが、光秀が眺めたであろう美しい琵琶湖を同じ様に見られる場所ということになろう。

北側 右手に三上山、さらに近江八幡の鶴翼山、遠く伊吹山も見える

北側 右手に三上山、さらに近江八幡の鶴翼山、遠く伊吹山も見える

南 プリンスホテルから矢橋の帰帆島などが見える

南 プリンスホテルから矢橋の帰帆島などが見える

 次は「びわ湖大津・光秀大博覧会」が開催されている西教寺に散歩がてら行ってみる。(付近の地図はこの記事を参照のこと)

 今までは西教寺の本堂前まで行くだけであれば拝観料は不要であったが、今は総門を入ってすぐ右側に拝観受付があり、大人一人500円となっている。 拝観受付で貰った案内チラシによると僧坊が両側に並ぶあたりは無料の様だが、正面勅旨門のあたりから先は有料エリアとなっていた。 尚、西教寺での「びわ湖大津・光秀大博覧会」の会場は、当初受付のすぐ左隣の禅明坊光秀館会場と西教寺会場の2か所が予定されていたようだが、コロナウイルス感染症の余波で今日現在禅明坊光秀館会場の方は開館延期となっている。 それもあってか、訪問日は観光客はまばら・・・といった状況であった。

明知一族の墓

明知一族の墓

 勅旨門の手前を左に折れて石段を上がると本堂の前庭で、本堂の手前左側にはドラマ主人公の長谷川博己もお参りに来た、明智一族や内室の熙子(ひろこ)の墓がある。 先程の案内チラシによると正面から本堂へは進入禁止となっており、本堂に向かって右手奥の大本坊から入り、見学順路に従って本堂、客殿、書院を廻るようになっているようだ。

大本坊

大本坊

本堂の阿弥陀如来、大本坊や客殿、書院の庭園、客殿の襖絵など、寺院内の見どころの外に、コンパクトな内容だが明智光秀公資料室というのが開設されていて、国内で製作された鉄砲や、光秀直筆の寄進状などが展示されていた。(写真でご紹介したいが堂内や資料室内などは殆ど撮影禁止)

大本坊庭園

大本坊庭園

 大河ドラマの主人公がこれ程身近な場所に繋がりがある・・・などということは滅多になさそうなので、滋賀院門跡などを含めて近くにある明智光秀ゆかりの場所を一度訪問されてはいかがだろうか。