大津市立地適正化計画(案)に対する公開質問状の提出について

大津市では平成29年3月に、コンパクト+ネットワークのまちづくりの理念と目標を定めた大津市都市計画マスタープラン(計画年度2017~2031)が策定されており、現在この目標を実現するための立地適正化計画(計画年度2021~2031)の策定(現在は「案」の段 階)が進んでいます。
立地適正計画とは現在国土交通省が推進しているもので、現在の市街地の中に居住・都市機能の誘導区域を設け、人口と都市機能の集中を図ることによって、コンパクトなまちづくりを実現しようとするものです。
このうち居住誘導区域とは、今後人口減少や高齢化が進む中で、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう、人口密度を維持すべき区域とされています。また、居住誘導区域となるのは、「市街化区域の中で人口、土地利用及び交通の現状及び将来の見通しを勘案し、良好な居住環境が確保され、公共投資その他の行政運営が効率的に行なわれるような範囲」のうち、「災害危険区域、その他政令で定める区域」を除いた範囲とされています。

大津市都市計画マスタープランの中で日吉台は「価値ある閑静な住宅地として、大津市と協働で様々な活動を通じて良好な住環境の維持・拡充に取り組む(要旨)」とされていますが、現在策定中の立地適正化計画(案)の中では、日吉台全域が上記の居住誘導区域から外れていることが明らかになりました。大津市の説明では日吉台は全域が地すべり防止区域に該当するため居住誘導区域から外れるとのことです。

居住誘導区域外となった場合、一定規模以上の開発や増改築の届け出が必要になる他、居住誘導区域外という線引きそのものにより、他の様々な影響が出てくることが予想されます。
また、空き家対策や認定こども園誘致など、大津市都市計画マスタープランに沿った持続可能なまちづくりに取り組んできた自治連合会としては、一見矛盾するようにも思えるこの立地適正化計画が日吉台の将来にどのような影響な影響を与えるのか、大いに懸念しているところです。

そこで、この計画の策定により、今後の大津市の都市計画の中で日吉台がどのように扱われるのか、実際に居住し続けることがどのような災害リスクにつながるのかを正しく理解するために、添付の通り公開質問状を作成し、大津市都市計画部に提出することといたしました。
本来は早期の説明会開催が望ましいのですが、コロナ感染症を勘案してこのような対応としております事、ご理解をお願い致します。大津市からの回答につきましても、別途回覧等でお知らせする予定です。

以下が提出した質問の内容です。

  • 質問1 日吉台を居住誘導区域に編入出来ないのは何故か、または居住誘導区域とするためには何をすれよいのか。
  • 質問2 居住誘導区域から外れた場合、学校や市⺠センターなどが統廃合の対象になったり、或いは改築の優先順位が下がるといった、公共施設への投資面での不利やサービス水準の低下などが将来にわたって起こらないか。また、公共交通の維持に対する行政の取り組みは、居住誘導区域と全く同等に行われると考えてよいのか。
  • 質問3 人口減少局面で居住誘導区域の人口密度を維持しようとすると、当然居住誘導区域外の人口密度は加速度的に下がり、空き家の増加が懸念される。また、人口構成の偏りが大きい日吉台では転入の減少によりコミュニティの維持も困難になる可能性が高い。この中でどのようにマスタープランに掲げられた「良好な住環境の維持・拡充」を実現しようとしているのか。
  • 質問4 地すべり防止区域であるため日吉台全域が居住誘導区域外となっているが、令和 2 年 11 月の滋賀県告示 438 号によると、地滑りによる土砂災害警戒区域に含まれるのは 7 区域、住居区画で 140 程度と全体の一割程度である。何故日吉台全域を居住誘導区域外としているのか。
  • 質問5 全域をハザード地区であるため居住誘導区域外とするのであれば、現住⺠は日吉台に住み続けていて危険ではないのか。もし住み続けていても危険でないとすれば、逆に何故居住誘導区域外となっているのか。

大津市立地適正化計画(案)に関する公開質問状(P1:回覧用上記内容、P2:公開質問状)

参考リンク)
都市計画マスタープラン 
立地適正化計画(案)